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広報誌テキスト版 2026年4月号


こちらは広報誌「INOUYE EYE NOTE」のテキスト版です。音声読み上げソフトへの対応を配慮して作成しています。

特集タイトル
開院145周年記念企画 井上眼科の挑戦者たち

井上眼科病院グループは、今年で開院145年を迎えました。その歴史は日本の眼科医療の歩みの一部でもありました。患者さま一人ひとりに寄り添う姿勢を大切にしながら、新たな技術や治療に挑み続けたその歴史には、日本初となる挑戦や試みも多く刻まれています。
今回の特集は、その挑戦者たちの軌跡をご紹介していきます。

日本の眼科医療を切り開く

創始者の井上達也は徳島藩の藩医 井上肇堂(ちょうどう)の四男として出生。1870年に大学東校に入学し、ドイツ人教授ミュルレル氏のもとで学びます。

1876年には東京医学校眼科掛に任命、それまで外科の一分野とされていた眼科を独立させます。これが後の東京大学医学部眼科学教室のはじまりとされています。1880年には日本人初となる東京大学医学部の助教授に就任。お雇い外国人が学問の中心であった当時、助教授は日本人が就ける最高位でした。

翌1881年、市井の人々の診療に専念するため神田駿河台に「済安堂(さいあんどう)医院」を開院します。これが井上眼科病院の原点になります。

初代院長 井上 達也
(1848~1895)

達也の功績①-日本初の眼科学術団体「井上眼科研究会」を発足

達也は1888年、日本初の眼科学の学術団体となる「井上眼科研究会」を発足。会報誌は16号にわたり発刊され、100名以上にわたる医師を会員としていました。達也の没後、同会は発展的に解消され、日本眼科学会(1897年発足)へと引き継がれていきます。

当時の様子
(1892年頃)

達也の功績②-「井上式白内障手術」の開発

達也は白内障手術のパイオニアとしてその名を知られる存在でした。また特筆すべきものとして、世界初となる「防腐的前房洗浄法」の開発などがあります。
一方で、電灯設備や無菌室をいち早く導入するなど、近代的な病院づくりにも力を注ぎました。

当時では珍しい4階建てのレンガ建築
(1897年頃)

国民病と戦う──『 通俗眼病トラホーム講話』発刊

第3代 院長 井上達七郎
(1869~1902)

明治時代、トラコーマ(トラホーム)は失明に至ることもある伝染性の結膜炎で、抗菌薬が登場するまで「国民病」として人々に恐れられていました。

第3代院長の達七郎は欧州留学中、世界的な細菌学者でありトラコーマ研究の権威であったライプツィヒ大学のザットレル教授に師事。日本では1919年にトラコーマ予防法が公布され、全国的な撲滅運動が展開されますが、達七郎はその20年も前に『通俗眼病トラコーマ講話』を執筆。眼科衛生学の視点からトラコーマ治療の重要性を訴え、国内におけるトラコーマ研究の先駆けとして活躍しました。

写真:明治32年(1899年)の書、眼病の予防法について啓発

神経眼科の世界を切り開く

第7代院長の達二は、日露戦争の従事経験をもとに『視覚中枢の鉄砲創による視力障害』を執筆し、ライプツィヒ大学で医学博士号を取得しています。その内容は、頭部に貫通銃創を負った患者の視野と大脳の関係を調べ、後頭葉(こうとうよう)の視覚中枢のマッピングを作成し、網膜と大脳皮質の対応を証明するというものでした。この論文は2000年にロンドン大学の研究者により再発見され、神経眼科の発展に寄与した画期的研究として再評価されています。

なお、達二の論文序文には、医学研究であるにもかかわらず「戦争を将来において出来得る限り阻止したい」との言葉が記されており、そこには達二の強い平和への願いも込められていました。

写真左:達二の医学博士論文(1909年)
写真右:医学雑誌「Brain」に再掲(2000年)

第7代 院長 井上達二
(1881~1976)

達二の功績-日本初の「小児図画試視力表」を開発

達二は、近視予防の研究にも熱心に取り組んだ人物でした。1915年には、日本初となる「小児試視力用画本」を制作。独自の絵を用いることで、言葉の理解が十分でない子どもでも視力検査ができる工夫を施しています。その関心は「国語・ローマ字問題」や「左書き問題」にまで及び、1946年には内閣設置の国語審議会委員に任命され、眼科医の立場から漢字の字体やローマ字綴りの有効性についても研究を行いました。

日本初となる「小児図画試視力表」
(1915年)

米軍病院の眼科顧問に

第8代 院長 井上正澄
(1911~2004)

第8代院長の正澄は、GHQの要請を受けて米軍病院の眼科顧問に就任。最新のアメリカ眼科学に触れて、日本の治療技術の遅れを痛感します。欧米への視察を重ねる中で、斜視や弱視の検査・訓練を専門に行う「視能訓練士」に関心を抱きます。

帰国後は、視能訓練士法の制定に尽力すると共に、幼児の視力検査に関する研究を進め、小児眼科分野における先駆的な取り組みを展開しました。

亡国の難病「ベーチェット病」に挑む

第9代院長の治郎は、1971年に新設した帝京大学医学部眼科の助教授に就任。2年後に、厚生省のベーチェット病研究班の一員として調査に携わります。ベーチェット病は働き盛りの世代に発症しやすく、「亡国の難病」とも称されていたことから、日本初となる本格的な研究調査は大きな反響を呼び、広く報道されました。

高い失明率を伴う疾患であることを踏まえ、治療のみならず、患者が訓練を行える施設の必要性や、社会的な受け入れ体制の重要性を訴え、現在のロービジョンケアにつながる先進的な考え方を発表しています。後に掲げられる理念「患者さま第一主義」の端緒となりました。

写真:当時の新聞記事(1972年)

第9代 院長 井上治郎
(1936~2008)

「越境の精神」を忘れずに──次なる150年を目指して

第11代目 院長 井上賢治
(2012年就任)

創始者・井上達也は、アカデミックの世界から在野へと飛び込み、日本の眼科医療を切り開いた先駆者でした。かつての病院名「済安堂(さいあんどう)」という名には、「人々を済(すく)い安らかにする」という達也の願いが込められています。歴代の院長たちは、その志を受け継ぎ、既存の枠や慣習にとらわれず、新たな知見や価値観を取り入れる挑戦を続けてきました。 その根底にあるのは、自らを変革し続ける「越境の精神」でもあります。
「いつの時代も最先端の眼科医療を」
─それこそが井上眼科病院の使命です。時代の潮流に左右されることなく、これからも「眼」の総合病院としての役割を全うしていきたく考えております。そのためにも最新の眼科学に基づく検査と治療、そして何より「患者さま第一主義」をモットーに、患者さまに信頼され、安心できる医療を着実に。そして、その先にある150年という新たな未来へ確かな歩みを進めてまいります。

コーナータイトル 
第41回 同門会だより

今回ご紹介するのは、山口県の「ふじもと眼科クリニック」院長 藤本隆志(ふじもと たかゆき)先生です。在籍中は西葛西・井上眼科病院の副院長も務め、白内障・網膜硝子体手術を中心に一般診療まで多岐にわたり治療を担当。多い時は1日に150人近くを診察されていました。「井上賢治理事長含め各専門分野のスペシャリストに直接ご指導いただきながら、技術だけでなく、患者中心の診療・手術の考え方を学ばせていただきました。素晴らしいスタッフに恵まれ、自身も常にレベルアップを意識させていただき、すべての方に対する感謝の念が尽きません」(藤本院長)。クリニックでは白内障や緑内障、網膜硝子体などの手術を中心に、緊急の医療機関が数十キロも離れているため、網膜剥離や眼球破裂、急性緑内障発作などの手術にも対応。小児から高齢の方まで幅広く診察にあたり、地域医療を支える一翼として力を注がれています。「患者さん一人ひとりにあったベストな治療や対策を、モニターなどを活用しながら丁寧に説明するよう心がけています。 目は外界からの情報の70-80%を伝える大事な臓器ですので、大切にしていただければと思います」(藤本院長)。
プロフィール
藤本 隆志先生(ふじもと たかゆき)先生
2008年~2020年 井上眼科病院、西葛西・井上眼科病院 在籍
2020年~2022年 西葛西・井上眼科病院 副院長
2022年~ ふじもと眼科クリニック 院長
クリニック情報
ふじもと眼科クリニック
〒740-0032 山口県岩国市尾津町2-22-10
TEL:0827-28-5524
https://fujimoto-eye-clinic.com/
写真:当院の井上(左)と藤本院長(右)

コーナータイトル
教えて石原さん! ロービジョンをもっと知ろう

第5回:街で盲導犬を見かけたら?

ハーネス着用時は「お仕事モード」!
そっと見守りつつも…
実は盲導犬は、全盲の方だけでなく、ロービジョンの方の移動もサポートしています。盲導犬がハーネスを着けているときは「お仕事モード」の合図。そのため、じっと見つめたり、声をかけたり、なでたりする行為は控えましょう。ちなみにペットを近づけることも厳禁です。注意力が散漫になると、ユーザーの身に危険が及ぶ可能性があります。まずは遠くから、そっと温かく見守ることが大切です。けれども、盲導犬には信号や標識などを判断することができません。信号待ちや周囲の状況が分からず困っている様子のときは、やさしく声をかけてサポートしてあげてください。

今回のワンポイント
盲導犬への指示は基本的に「英語」です。日本語では話す人の性別や方言によって表現に違いが生じやすいためです。

ロービジョンとは?
見えかたに問題があり、日常生活に支障をきたす状態。見えにくさの程度は人それぞれ異なりますが、医療や福祉など幅広い支援が必要です。困ったときは主治医に相談をしてください。

監修:石原純子
ロービジョン外来でITサポート担当。視覚障害者に対するIT機器の紹介や相談などを対応している。自身も網膜色素変性を発症し、当事者の視点でサポートを行う。

お知らせ① 

グループのお知らせ
世界緑内障週間の「ライトアップ in グリーン運動」に参加しました

今年も世界緑内障週間(3/8~3/14)に行われた啓発活動「ライトアップin グリーン運動」に参加いたしました。この取り組みは2008年から毎年3月に実施されている国際的なイベントです。当院グループは2017年から取り組んでおり、お茶の水・西葛西・札幌の3施設を緑色にライトアップさせています。本活動のメインメッセージ「早期発見・継続・希望 40歳を過ぎたら眼の定期検診を!」をより多くの方に届け、緑内障への理解が深まることを願い、緑の光を灯しました。

写真:井上眼科病院

写真:西葛西・井上眼科病院

写真:札幌・井上眼科病院

お知らせ②

お茶の水のお知らせ
2月より入局した医師をご紹介いたします

山元 朝仁(やまもと ともひと)医師
琉球大学医学部卒業、南部徳洲会病院(初期研修)を経て当院に入局。
ごあいさつ
沖縄生まれ沖縄育ちです。将来は、眼科一般の診療に限らず、白内障手術、涙道診療もできるようになりたいと思っています。また患者さま一人一人に寄り添える診察ができるように努めます。よろしくお願いいたします。

写真:山元 朝仁(やまもと ともひと)医師

お知らせ③

グループのお知らせ
開院145周年ロゴが決まりました

おかげさまで井上眼科病院は2026年4月に開院145周年を迎えることができました。広報誌の読者アンケートを通じてお寄せいただいた多くのご意見をもとに、145周年記念ロゴを決定いたしました。ご協力くださいました皆様に、心より御礼申し上げます。
ロゴデザインに込めた想い
ランドルト環にそれぞれの病院カラーを取り入れ、次なる150年に向けて共に進んでいく想いを表現しました。

写真:145周年記念ロゴ

お知らせ④

読者アンケートご協力のお願い

広報誌の読者アンケートにご回答いただいた方の中から、毎号抽選で5名様に当院オリジナルのノベルティをプレゼントいたします。より良い紙面づくりのため、皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。たくさんのご応募お待ちしております。
応募締切:2026年6月30日(火)まで
※お電話での応募は受け付けておりません。
※賞品発送をもって当選発表に代えさせていただきます。

▼下記URLよりアンケートにご回答ください。
https://req.qubo.jp/inouye-eye/form/bhVLwBbU

ミニポーチのイメージ写真

コーナータイトル
管理栄養士中井さん考案 目の健康レシピ

新年度がはじまりますね。今回は春を感じる「いちごとアスパラの新じゃがサラダ」をご紹介します。旬の食材で栄養を摂って新生活を迎えましょう!

いちごと新じゃがいもに含まれるビタミンC は水晶体の濁りを防ぎ、アスパラガスに含まれるビタミンEは水晶体を守る働きがあるといわれています。ビタミンが豊富な果物や野菜を毎日の食事にとりいれて、目の健康に努めましょう。
調理時間は 30分 
難易度は やさしい

以下、材料は4人分
・新じゃがいも 200g
・いちご 40g
・アスパラガス 40g
・卵 2個
・サニーレタス 1枚

味付けA
・塩少々
・ブラックペッパー少々
・マヨネーズ大さじ3

作り方
①、新じゃがいもは皮をむき、食べやすい大きさに切り、水にさらす。耐熱皿に移し、ふんわりラップをかけ電子レンジで軟らかくなるまで加熱し冷ます。(600ワットで2~3分が目安、様子を見て追加加熱する)
②、アスパラガスは根元を少し落とし、ピーラーで下から3㎝程度皮をむく。2~3㎝程度の斜め切りにし、沸騰したお湯で茹で、水に入れて冷ました後、水を切る。
③、いちごを洗って適度な大きさに切り、水を切っておく。
④、茹で卵を作り、殻をむいて、他の食材と同じくらいの大きさに切る。
⑤、ボールに1から4を全て入れ、Aを入れ混ぜる。お好みで塩とブラックペッパーで調節する。
⑥、お皿にサニーレタスを敷き、5を盛り付けたら完成。

1人分の栄養成分値は以下の通り。
たんぱく質4.5グラム/脂質9.4グラム/エネルギー145キロカロリー/炭水化物10.5グラム/塩分0.54グラム
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