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先生の、見つめてきたもの │ Vol.05


音楽家になる夢を変えた、
あるできごと

私の出身は大分県の豊後高田市です。自然に囲まれたのどかな町で、いつも小学校から帰ると田んぼや川で泥だらけになって遊んでいましたね。当時の私は、いとこの影響で始めたピアノに夢中で、大きくなったら音楽家になるんだ!と思っていました。しかし中学生の頃、当時の私にとってショッキングなできごとが起こりました。大好きだった先生が、治療困難な難病にかかってしまったのです。このことがきっかけとなり、私は医療に強い関心を持つようになりました。薬学部に入り新薬を開発したいと考えた時期もありましたが、最終的に広島の医大に進みました。

広島から東京へ。涙道疾患の
スペシャリストとして歩んできた10年

大学卒業後はしばらく広島勤務でした。広島での研修医時代はとても忙しかったのですが、恩師に病院の内外で人生を豊かにするヒントをたくさん教えていただきました。その後、東京で米国の医師免許を取るための勉強をしながら働いていました。試験には無事合格したのですが、眼科をもっと専門的に学びたい気持ちが強くなり、日本にとどまる道を選びました。そんな時に声をかけてくださったのが井上理事長です。眼科の各分野のトップが集まる井上眼科病院ですから、ここでは第一線の先生による最新の治療を目にすることができます。

日本の患者さまのために経験を積みたかった自分にとって、井上眼科病院はまさに求めていた環境だったんです。私の専門は涙を介して起こる病気=涙道疾患です。「涙目」に代表されるような、主に加齢が原因で涙道(涙が排水される通り道)が詰まってしまう涙道閉塞によって、涙があふれてしまう患者さまが多くいらっしゃいます。長年ハンカチが手放せずに困っている方が、私のところで治療できるようになって、喜ばれることも少なくありません。その他にも、一般眼科外来や白内障手術も並行して行う目まぐるしい毎日ですが、日々患者さまのお役に立てていると実感することができ、とても充実しています。

自分が受けた恩を、
医療というかたちで世の中に還元していく

「ペイフォワード」という言葉をご存知ですか?予備校の英語の先生から教わった言葉で、日本語で「恩送り」「恩渡し」などと訳されます。自分が受けた恩を返すのではなく、他の人に渡していくことで、善意の連鎖が広がるという考え方です。中学生、予備校生、研修医時代、日本に残ると決めた時も。思えば人生の節目でいつも素晴らしい先輩たちから多くのものを与えられてきました。今度は受けた恩を私が次の人に渡していく番です。自分が学んできた医療が患者さまのお役に立てれば何よりも嬉しいですし、技術や知識を後進に伝えていきたいとも考えています。治療についてお困りごとや悩みがあれば、とことん付き合いますので、納得いくまで諦めずに一緒に考えていきましょう。メンタルの不調など、眼と一見関係なさそうなことにも治療のヒントがあるかもしれませんので、なんでもお気軽に相談してください。
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