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先生の、見つめてきたもの │ Vol.01


幼なじみと一緒に学び、医師の道へ

小学生の頃、学校が終わると草野球ばかりしているようなわんぱく少年でした。ある日、毎日一緒に遊んでいた幼なじみに、もう放課後は遊べないと言われたのです。おどろいて理由を聞くと「塾に行くから」と。わたしは勉強をしたいというより大好きな友人と一緒にいたい一心で親に頼みこみ、同じ塾に通い始めました。はからずも塾に入ったことで勉強の楽しさや自分が理系に向いていることに気付かされ、中・高・大と彼と同じ学校に通うことになりました。
彼の母親は、当時地元で評判の眼科医でした。家に遊びにいき、手際よく診察する姿がとても素敵で、患者さんたちの笑顔に囲まれるその姿を見るたびに、尊敬の念は深まり、わたしは医師という職業に憧れを持つようになりました。自分が眼科の医師として今ここにいるのは、彼と彼のお母様の影響が大きかったのでしょうね。

国内外で学んだ最先端の医療を、
患者さまに届けたい

研究が好きで、医学部卒業後も大学に残り、角膜疾患の専門医として臨床の経験を積みながら基礎研究を続けることは、わたしにとってごく自然な流れでした。さらに最先端の研究を求め、35歳からの2年間は、ハーバード大学で血管新生のメカニズムの解明に没頭していました。比較的自分のペースで研究を進めることができたので、アメリカ中を旅して回れたのもよかった。特に、マーサズ・ヴィニヤード島はとても景色が綺麗でのんびりできるよいところでしたよ。世界をリードする数多くの研究や治療に直接触れることができた米国での経験は、とても貴重なものでした。帰国後も、新しい手術法を学ぶために米国を訪れています。井上眼科病院でわたしが執刀する「角膜内皮移植手術(DSAEK)(DMEK)」も、米国で習得した手技のひとつです。高度なテクニックを要するため、日本ではまだ限られた医師しか執刀できないものですが、このような新たな治療法こそ若い先生方にどんどん広めていきたいと考えています。さらに最近話題の IPS 細胞による角膜再生医療など、最先端の医療を一日も早く患者さまの治療に役立てられるよう努めていきたいですね。

困っている患者さまのため、
“研究マインド”をずっと持ち続けたい

お茶の水・井上眼科クリニックに来てからは、毎日色々な症例の患者さまを診察していますが、稀に診断に悩む場合があります。その時は、仲間の先生と意見を交換したり海外の文献を調べたりして徹底的に検証します。それでも診断がつかない時には、自分で研究してみようという気持ちになりますね。このいわゆる “研究マインド”は、基礎研究から始まったわたしのキャリアの原点なのだと思います。忙しくても、持ち続けていきたい“こだわり”とでも言いましょうか。患者さまが何に困っているか、その原因を探り、問題を解決してあげたい。そんな想いで日々患者さまと向き合っています。

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